**根抵当権が設定された土地の売却でお困りではありませんか?**根抵当権は通常の抵当権とは異なる特殊な権利のため、売却手続きが複雑になりがちです。しかし、正しい手順を踏めば売却は可能です。この記事では、根抵当権付き土地を売却する際の具体的なステップから注意点、相談すべき専門家まで、成功のために必要な情報をわかりやすく解説します。
【結論】根抵当権付きの土地は売却できる!ただし抹消手続きが必須
根抵当権が設定された土地でも売却は可能ですが、売却前に根抵当権を抹消する手続きが必須となります。通常の売買と異なり、金融機関との調整や専門的な登記手続きが必要です。
根抵当権付き土地の売却では、まず債権者である金融機関から抹消の同意を得ることが最重要ポイントです。たとえば、事業資金として1,000万円を借り入れており、土地の売却価格が1,500万円の場合、売却代金で完済し残りの500万円を手元に残すことができます。
ただし、売却価格が残債を下回るオーバーローン状態では、不足分を自己資金で補填する必要があります。具体的には、残債1,200万円に対し売却価格が1,000万円の場合、200万円を別途用意しなければなりません。
なぜ手続きが複雑?「根抵当権」と「抵当権」の根本的な違い
根抵当権と抵当権は似て非なるものです。両者の違いを理解することで、なぜ根抵当権付き土地の売却手続きが複雑なのかが見えてきます。
抵当権:特定のローンを完済すれば効力が消える
抵当権は特定の債務を担保する権利で、住宅ローンなどで一般的に使われます。たとえば、3,000万円の住宅ローンに対して設定された抵当権は、完済と同時に自動的に効力を失います。
完済すれば担保としての役割は終了するため、金融機関は抹消に応じやすく、手続きも比較的スムーズです。具体的には、完済証明書の発行を受けて司法書士が抹消登記を行えば完了します。
根抵当権:極度額の範囲で繰り返し借入可能、完済しても消えない
根抵当権は極度額の範囲内で繰り返し借入ができる包括的な担保権です。たとえば、極度額2,000万円の根抵当権が設定されていれば、現在の借入額が0円でも将来的に2,000万円まで借入可能な状態が続きます。
現在の借入を完済しても根抵当権自体は消えません。これは事業者が運転資金を柔軟に調達するために設計された仕組みですが、土地売却時には大きな障害となります。金融機関としても将来の貸付機会を失うため、抹消には慎重な判断が必要となるのです。
根抵当権付き土地を売却する4つのステップ
根抵当権付き土地の売却は、通常の不動産売買よりも多くの手続きが必要です。以下の4つのステップに沿って進めることで、スムーズな売却を実現できます。
STEP1:金融機関(債権者)に相談し、根抵当権抹消の同意を得る
まず債権者である金融機関に売却意向を伝え、根抵当権抹消の同意を得ることから始めます。この段階で、現在の借入残高と売却予定価格を正確に把握することが重要です。
具体的には、売却代金で完済可能かどうか、完済後の根抵当権抹消に応じてもらえるかを確認します。たとえば、現在の借入が800万円で土地の想定売却価格が1,200万円の場合、400万円の余裕があるため金融機関も抹消に応じやすくなります。
STEP2:不動産会社に査定と売却を依頼する
金融機関の同意が得られたら、根抵当権に詳しい不動産会社に査定と売却を依頼します。一般的な不動産会社では根抵当権の手続きに不慣れな場合があるため、経験豊富な会社を選ぶことが重要です。
査定時には根抵当権の存在を必ず伝え、売却可能価格が残債を上回るかを慎重に検討してもらいます。具体的には、近隣の取引事例や土地の条件を踏まえ、現実的な売却価格を算出してもらいましょう。
STEP3:買主を見つけ、売買契約を締結する
買主が見つかったら売買契約を締結しますが、契約書には根抵当権抹消を売主の義務として明記することが重要です。また、万一抹消できない場合の契約解除条項も設けておきます。
たとえば、「売主は決済日までに根抵当権を抹消する義務を負い、抹消できない場合は買主は契約を解除できる」といった条項を盛り込みます。これにより買主の不安を解消し、スムーズな取引を実現できます。
STEP4:決済日に残債を完済し、根抵当権を抹消する
決済日当日は、売買代金で借入を完済し、同時に根抵当権の抹消登記を行います。この手続きは司法書士が担当し、金融機関・買主・売主が一堂に会して実施されるのが一般的です。
具体的には、買主から受け取った売買代金で借入を完済し、金融機関から根抵当権抹消に必要な書類(抹消同意書等)を受け取ります。司法書士がその場で抹消登記を申請し、買主への所有権移転と根抵当権抹消を同時に完了させます。
根抵当権付き土地の売却で失敗しないための3つの重要注意点
根抵当権付き土地の売却には特有のリスクがあります。以下の3つの注意点を押さえて、失敗を避けましょう。
注意点1:オーバーローン(売却価格<残債)の場合は自己資金が必要
売却価格が残債を下回るオーバーローン状態では、不足分を自己資金で補う必要があります。たとえば、残債1,500万円に対し売却価格が1,200万円の場合、300万円を別途準備しなければなりません。
この場合、事前に資金調達の目処を立てておくことが重要です。具体的には、預貯金の取り崩しや他の資産の売却、親族からの借入などの選択肢を検討し、決済日に確実に用意できる体制を整えておきましょう。
注意点2:相続した場合は手続きがより複雑になる可能性
相続により取得した根抵当権付き土地の売却では、相続登記と根抵当権抹消の両方が必要となり、手続きがより複雑になります。特に、被相続人が個人事業主だった場合は注意が必要です。
たとえば、亡くなった父親が事業用地として使用していた土地を相続する場合、事業の継承や債務の承継についても金融機関と協議する必要があります。場合によっては相続放棄も選択肢となるため、専門家への相談が不可欠です。
注意点3:根抵当権に詳しい不動産会社を選ぶ
根抵当権付き不動産の売却には専門知識が必要なため、経験豊富な不動産会社を選ぶことが成功の鍵となります。一般的な住宅売買しか扱わない会社では、適切な対応ができない可能性があります。
具体的には、事業用不動産や競売物件の取り扱い実績があり、司法書士や金融機関との連携体制が整った会社を選びましょう。初回相談時に根抵当権の手続きについて詳しく説明できるかどうかも、判断基準の一つとなります。
この問題、誰に相談すればいい?ケース別の専門家ガイド
根抵当権付き土地の売却には複数の専門家が関わります。それぞれの役割を理解し、適切なタイミングで相談することが重要です。
売却実務のパートナー「不動産会社」
売却活動全般のパートナーとして、根抵当権に詳しい不動産会社が最も重要な存在です。査定から買主探し、契約手続きまでをトータルでサポートしてもらえます。
たとえば、根抵当権の存在を買主にどう説明するか、契約条件をどう設定するかなど、実務的な課題について具体的なアドバイスを受けることができます。また、金融機関や司法書士との調整役も担ってもらえるため、売主の負担を大幅に軽減できます。
登記手続きの専門家「司法書士」
根抵当権の抹消登記や所有権移転登記は司法書士の専門領域です。特に相続が絡む場合や、権利関係が複雑な場合には、早めの相談が重要となります。
具体的には、必要書類の準備や手続きの流れ、費用の見積もりなどについて詳しく説明してもらえます。また、金融機関との抹消同意書の取り交わしについても、法的な観点からアドバイスを受けることができます。
交渉の相手方「金融機関」
根抵当権を設定している金融機関は、抹消の可否を決定する最終的な権限を持っています。売却を検討する段階で、早めに相談することが重要です。
たとえば、事業の縮小に伴い土地を売却したい場合、今後の取引関係についても含めて相談することで、より柔軟な対応を引き出せる可能性があります。また、オーバーローンの場合の分割返済についても、交渉の余地がある場合があります。
まとめ:正しい手順で、根抵当権付き土地の売却を成功させよう
根抵当権付き土地の売却は複雑ですが、正しい手順を踏めば必ず成功できます。まず金融機関との協議で抹消の同意を得て、経験豊富な不動産会社と司法書士のサポートを受けながら進めることが重要です。
オーバーローンの場合は自己資金の準備、相続物件では追加手続きの考慮、そして何より根抵当権に詳しい専門家選びが成功の分かれ目となります。売却を検討されている方は、まず現在の借入状況を正確に把握し、信頼できる専門家に相談することから始めましょう。




